2006年07月29日
貴重なフィルタの参考書として...
本書は先日ご紹介しました「計測のためのアナログ回路設計」の姉妹書に当たります。主にアナログ回路におけるフィルタについての解説になっており、基本的なフィルタの特性の説明から始まりRCフィルタ、能動素子を使用したアクティブフィルタ、RF領域で多用されるLCフィルタと定番のフィルタの解説と設計例が分かりやすくまとめられ、その後には性能のよいオペアンプが安く手に入るようになって普及したFDNRフィルタの解説となっています。
フィルタの解説以外にも、フィルタを構成するために非常に重要な受動部品に求められる性能や評価の仕方まで丁寧に説明され、古くからフィルタを扱っている方には定番であるものの、最近は良い参考書がなくてなかなか扱いにくくなっているトロイダルコアを用いたトランスの解説となっています。
フィルタに関する内容以外にはロックインアンプの動作原理や使用方法についてページが割かれています。
ロックインアンプは非常に便利な電圧計ですがオシロスコープやテスタといった測定器ほど一般的ではなく、触れるチャンスが少ないため、丁寧に解説してある本書は貴重な書籍となっています。
アナログ技術の大切な基礎部分の一つとして、現在刊行されている数少ないフィルタの入門書として、ロックインアンプの貴重な解説書として、アナログ回路のスキルアップを目指す方にお勧めします。
著者：遠坂俊昭
発行：CQ出版株式会社
題名：計測のためのフィルタ回路設計
価格：2835円（税込み）
文：近藤
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