小型アナログジョイスティックHOZAN P-706

2006年10月14日

ビデオ信号の丁寧で深い解説書

1fee4ec9.jpg NTSCコンポジット・ビデオ信号.....いわゆるアナログビデオ信号の処理に関する技術を解説したものです。
2011年に地上波アナログ放送の停波が決定したりDVIやHDMI規格の伝送が普及してきていますが、戦後直後から60年にわたって歴史を重ねてきたアナログビデオ信号は機材や映像ソースとして膨大な資産が世の中にあり、まだまだ消えることは無いでしょう。
 本書はアナログビデオ信号のうち、特にNTSCフォーマットのビデオ信号についての内容となっています。
大前提となるテレビジョンの始まりから歴史に触れ、ビデオ信号の基礎知識としてNTSC信号の意味の解説になっています。
 白黒で60年、カラー放送になって40年経過してもなお使用され続けているNTSC信号はとてもたくさんの情報をいかに安定して、確実に伝送するかという点から非常に工夫され、考え抜かれた複雑な(通信用語で言うと多重化された)信号になっています。
 NTSCなら3.58MHz、画面は1秒間に30枚の絵、と誰でも知っているその一つ一つの数字の確実に理解してゆくためには本書のこの部分の解説は非常に分かりやすいので、映像信号を扱う方や勉強されたい方にはぜひ読んでいただきたいと思います。
 次の章とではビデオ信号の観察技術として、オシロスコープやベクトルスコープの解説からY/C分離回路の解説となっています。

 以降の章としては来るべきハイビジョン信号の構成と、ディジタル伝送についての考え方や基本技術について解説し、最後に映像という情報の扱いに必要なやや理論的な概念まで踏み込んで書かれています。

 本書はNTSCビデオ信号の扱いについて深く書かれており、もはやパソコンのソフトウェアの書籍と区別がつきにくい雰囲気になっている最近のディジタル放送用の書籍に比べ、最近の書籍としては珍しく本腰を入れてアナログ技術の世界を丁寧に解説しています。
 時代が時代ですので、もしかしたらこれが最後のアナログ映像信号の丁寧な解説書になるかもしれません。
映像信号について興味のある方や、アマチュアが手を出せる映像信号を残り5年でしゃぶり尽くしたい方にお勧めします。

著者:今村元一
発行:CQ出版株式会社
題名:ビデオ信号の基礎とその操作法
価格:2730円(税込み)


文:近藤

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