2006年11月09日
ロジック回路で足し算器を作れますか？
AISCなどで目的のデバイスを簡単に作れるようになった最近は、ワンチップマイコンを利用すると面倒だけど、ちょっとデータを演算したい...なんてことが良くあります。しかし、ASICの記述言語にちょっとややこしい算術演算の関数は無く、三角関数まで扱いたいときなどはどうしようもありません。
ワンチップマイコンを利用していると開発言語に用意されている関数やアセンブリコード（ニーモニック）として存在するためにあまり意識しない単純な数値演算について、本書は本質にポイントをおいて解説してあります。
具体的にはロジックレベルの論理回路でフルアダーやハーフアダーを作って行う足し算（加算演算）から始まって、減算器から乗算器とステップアップし、その後に除算器を設計し、四則演算が確立したところで初等超越関数の解説と実装に進んでゆく内容となっています。
単なる学問書ではなく、各理論の実際の使用例をビデオ信号処理に実装して結果と問題点を解説していますので、処理された絵を見て理解を進めることが出来る点は、このジャンルの書籍としてはとても親切です。
通常はC言語の関数を使えば済むところですが、速度を要求する組み込みのASICや二進数的な考え方でデジタル回路における初等数値演算を数学的な裏づけを進めながら確実に理解したい方にお勧めします。
著者：鈴木昌治
発行：CQ出版株式会社
題名：ディジタル数値演算回路の実用設計
価格：3570円（税込み）
文：近藤
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