2009年09月20日

エナメル線の話

小学生の時、皆様一度は触れたことのあるエナメル線。
本日は趣向を変えて、このエナメル線に付いて見ていきたいと思います。

まず『エナメル線』とはどういった電線なのでしょうか。
見た目は銅そのままの色をしていますが、そのまま置いていても錆びる訳でもない。しかも絶縁されている。
そう言えば小学校の理科では、エナメル線は紙ヤスリで削ってから使いました。
表面に何か付いているのでしょうか?

皮膜を剥いてみた

そう、『エナメル線』とは銅線をエナメルの皮膜で覆った電線のことなのです。
裸の銅線のように見えて、その実エナメルの皮膜に覆われた銅線だったのです。
つまり『エナメル線』とは、銅線にエナメル塗料を焼き付けて絶縁した電線のことなのです。

しかしココで気を付けなくてはいけないことが一つ。
それは『エナメル』という化学物質を焼き付けている訳ではないと言うこと。
『エナメル』とは、【透明あるいは不透明なガラス質を溶かし、金、銀、銅等 の金属板(ごく希には磁器板にも)に焼き付けた物の総称】だそうで、『これぞエナメル』というモノは存在しません。
そのため、エナメル線に使われている塗料にも色々な種類があります。

ではエナメル線にはどんな種類の物があるのでしょうか。

まず有名なのは『ホルマール線』(品種記号は『PVF』)。
電子工作の経験が長い人の中には、今でも店頭で『ホルマール線ある?』と聞かれる方もいらっしゃいます。
この『ホルマール』は合成樹脂エナメル線用塗料の中でも最も古いモノで、1930年代にアメリカで発明されたものなんだそうです。
現在シリコンハウスではホルマール線の取り扱いはございません。

次に、現在シリコンハウスで取り扱いのあるエナメル線、『ポリウレタン線』(品種記号は『UEW』)。

ポリウレタン線群

こちらはウレタン樹脂のワニスを導体に焼き付けた電線です。
最大の特徴は皮膜を剥離することなくハンダ付けできること。つまりハンダ付けする時に紙ヤスリなどで表面を磨かなくてもいいのです。
そのため、細いエナメル線の皮膜を紙ヤスリなどで削ろうとして、力が入りすぎてエナメル線をちぎってしまう心配がありません。
このポリウレタン樹脂はハンダ付けの熱で溶けるため、そのままハンダ付けすれば自動的に皮膜が剥がれると言う訳です。
ハンダで皮膜が溶けると言っても耐熱温度が低い訳でもなく、一般的なビニル電線よりよほど耐熱性に優れています。
そんなポリウレタン線の耐熱温度は120℃となっております。
また、着色が容易なため、イヤホンのスピーカー部分に付いている色付き導線はこのポリウレタン線であることが多いようです。
シリコンハウスでは0.2mm〜1.0mmまで取り扱いがございます。

次に、比較的太いエナメル線で見かける『ポリエステル線』(品種記号は『PEW』)。

ポリエステル線群

こちらはポリエステル系樹脂のワニスを導体に焼き付けております。
このポリエステル線はポリウレタン線のようにハンダの熱で皮膜が溶けることはありません。
従来のエナメル線と同じように紙ヤスリ等で皮膜を削る必要があります。
その代わり耐熱温度はポリウレタン線よりも高く、耐熱温度は155℃となっております。
また、溶剤やアルカリ以外の薬品にも強くなっています。
しかしポリエステル線は耐加水分解性に劣るため、水気の多い場所や密封機器での使用には注意が必要です。
シリコンハウスでは1.2mmと1.6mmの取り扱いがございます。

これら以外にもポリエステルイミド線(品種記号『EIW』)やポリアミドイミド線(品種記号『AIW』)など、色々なエナメル線がございます。
エナメル線購入の際には、品種記号を見てどんなエナメル塗料が使われているかを確認の上、ご購入ください。それぞれのエナメル塗料によって特性が違いますので、自分が求める性質に合致するモノをお選びください。

例えば

また、商品に『エナメル線』と書かれていなくても、『ポリウレタン線』とか『ポリエステル線』などと書かれていたら、それが『エナメル線』のことであるとご理解いただければ幸いです。

小口パック売場その下にリール巻き売場

<記事:伊東>

共立エレショップにも登録しましたので、通販ご希望の方は
ご利用ください。
各種ポリウレタン(エナメル)線


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1. 極細エナメル線が入荷!  [ デジットBlog ]   2011年05月25日 13:43
シリコンハウスへようこそ:エナメル線の話

この記事へのコメント

1. Posted by きゅうる村   2009年09月20日 17:17
4 少し賢くなった。
年来の疑問が解けた!
2. Posted by mio   2009年09月20日 21:54
4 ( ;∀;)タメになりました!
3. Posted by yosio   2010年08月19日 10:20
5 イヤフォンの修理中に細い線の皮膜を剥がすのに大苦労してました。
剥がさなくても良いことがわかり、無事修理できました。
4. Posted by ひろし   2011年06月03日 14:06
エナメル線のエナメルの謎が解けた
奥が深いなあー
俗な名前は、時に誤解を招く
ポリウレタン被服導線だよね
5. Posted by ひろし 訂正   2011年06月03日 14:07
エナメル線は、正しくは
ポリウレタン被服銅線だよね
6. Posted by shuu-   2011年08月06日 11:17
ひろしさん、エナメル線はポリウレタン被服だけのことじゃないって上に書いてありますよー。
それともわざとかいてるのかな?
7. Posted by ぁあああ   2012年08月07日 14:47
ためになった
8. Posted by takky   2012年12月09日 09:51
4 スズキのスクータのステータコイルはエンジンオイルの中に漬かっています。この外径1mmのエナメル線は何なんでしょうか。コイルに接続するためのビニール線も入っているので耐熱温度はそれほどでなくともよさそうですが。。。
9. Posted by 愛知県   2012年12月19日 20:44
5 そういうことですね!!ありがとうございます
10. Posted by 美川けんいち   2012年12月19日 20:45
5 すごいぞー!
11. Posted by GIKOEKO   2012年12月30日 17:17
5 そ、そういうことだったのか!
エナメル線を卒業して、ポリウレタン線にするよ!
12. Posted by 松本佳示   2013年01月18日 14:33
このページの商品netで購入できないのですか
13. Posted by コンテンツ制作 木下   2013年01月19日 18:20
松本佳示様

お問い合わせいただき、ありがとうございます。
ポリウレタン線はネットショップ「共立エレショップ」に登録されています。
そちらからご注文をいただければ、通販にて対応致します。

商品一覧のリンク先は↓こちら↓
http://eleshop.jp/shop/goods/search.aspx?keyword=%83G%83i%83%81%83%8B&tree=11300199&style=D&search.x=0

是非ご利用くださいませ。

14. Posted by 蝦名 響   2014年07月09日 13:59
エナメル線をそのまま、被服を剥がないで、ハンダ付できる物があることを知りました。良かった。
15. Posted by 向井   2014年08月24日 22:00
以前ワイアリングペンという名称で売られていたボビンに巻かれた0.2〜0.23mm程度の緑や赤のポリウレタン線を愛用していたのですが、最近は見かけることがありません。0.3mmなら売られていますが、使ってみるとけっこう太いのです。
色付きでこれらの線径の2UEWを扱う予定はないでしょうか?
16. Posted by インドア大陸   2015年07月28日 10:38
UEWの被覆がうまく剥げません。溶けたハンダで長時間濡らしてもハンダが馴染みません。被覆は黒く変色します。太いUEW線だと温まりにくいからでしょうか。
17. Posted by 平田M@シリコンハウス   2015年07月30日 18:53
インドア大陸様

コメントを頂きまして誠にありがとうございます。
記事ではポリウレタン樹脂はハンダ付けの熱で溶けると記載させて頂いてますが、こての温度と線の太さによっては熱が逃げてしまい樹脂が溶けにくいことがあるかもしれません。
その場合は申し訳ございませんがサンドペーパー等で磨いて頂くことをお勧め致します。
18. Posted by インドア大陸   2015年07月31日 10:19
ありがとうございます。
なお件のUEWは、シリコンハウス購入のものでは「ありません」。
19. Posted by 池   2017年01月27日 16:01
1.2mm(AIW)は取り扱っていますか?
20. Posted by シリコンハウス   2017年01月28日 12:38
申し訳ございません。
現在AIW(ポリアミドイミド線)は扱いございません。