2014年08月14日

『★夏休み工作企画★』ペルチェで発電してみよう!

夏休み研究のお役に立てられるような実験になれば幸い。

peltier
2種類の金属(半導体)に電気を流すと温度差ができるペルチェ素子。

この効果と逆に「温度差を与えると電気が流れる」特性もペルチェ素子にはあるらしいのですが、 目に見えて効果があるほどの電圧・電流が発生するのか常日頃疑わしく思っておりました。
と言うのも、私事ながら卒業研究のテーマが「熱電素子の作成」で、その時に作った物(ゼーベック素子)は「400℃以上の温度差を与えてやっと数百mVだった」経験があり、ペルチェ素子でも電圧を発生させるのは知識として知ってましたが、極めて微小しか発生しないのではと予想してました。
しかし、市販のペルチェ素子は幾重ものペルチェ効果を持った半導体を連結させているので、ひょっとしたら何かを動かせるくらいには電気が発生するかも?と思い、とりあえず実験してみました。

※補足
「電流を流すと温度差が発生する」→ペルチェ効果。
「温度差を与えると電圧差が発生する」→ゼーベック効果。

■概要
ペルチェ素子にお湯と氷水で温度差を与えてソーラーモーターを回してみる

(ソーラーモーターは普通のモーターに比べ低電圧・低電流で回るのが利点)。
ペルチェ1
主な実験材料
・ペルチェ素子
・紙コップ
・アルミ板
・氷水を入れるアクリルケース
・ソーラーモーター
・ソーラーモーターに付けるプロペラ

・ペルチェ素子
 40mm角「TEC1-12703T125」シリコンハウス価格¥1,944_
 最大電圧15.2V、最大電流3A、最大熱量28.3W。

・紙コップ
 お湯を入れるのに使用。保温と手の火傷防止を考えて二重にして使用。

・アルミ板
 1.5mm厚。「タカチ NP-21」シリコンハウス価格¥247_
 (本来200×100mmの大きさですが、他の実験で使った余りなので150×100mmになってます)。
 紙コップのフタをしてペルチェ素子を載せられるようにする物。
 熱が伝わりやすいアルミ板を選定。

・氷水を入れるアクリルケース
 (シリコンハウスで売ってません)
 ペルチェ素子への密着度を考慮して「底が平らな入れ物」を選びました。
 90mm角。

・ソーラーモーター
 「DS-300CA-20105-22.5」シリコンハウス価格¥411_
 クリップ付きで便利。

・プロペラ
 「童友社 DP3-60バラ」シリコンハウス価格¥61


まずはどれくらいの電圧が発生するのか、テスターで測定。
(電気を流した時に熱くなる面をお湯側にしています)

700mV以上出てます。

ペルチェ2
800mV近く出たのは個人的には意外過ぎる結果。
こんなにあっさり電圧が発生するとは思いませんでした。

それではソーラーモーターを繋げてみます。
モーター30秒しか

回りました。
が、30秒ほどで止まってしまいました。
???
実験器具を取り外して原因を探ると………ペルチェ素子が全体的に温かくなってました。
温度差が無くなって電圧が発生しなくなったようです。

これでこそ実験!
「やりました。できました」で終わっていては個人的な特色がありません。
特に夏休みの研究では他人と違いがなければ恥ずかしい限り。
「失敗→改善→実行」を推し進めていきます。

温度差が無くなった要因を考えます。
・お湯が熱すぎた?
・アルミ板が大きすぎて熱が全体的に広がった?
・アクリルケースとペルチェ素子の密着度が足りず、冷却が進まなかった?

これに対する改善案
・お湯を少なくする。
・アルミ板を小さくする。
・熱伝導両面テープを使って密着度を増す。

■改善案を実行。
ペルチェ50mmアルミ
アルミ板はプラカッターで何回かスジを彫って、
机の端を使って何回も折り曲げ切断。
50mm角にしました。
ペルチェ3
もう一つ紙コップと熱伝導両面テープを用意。
熱伝導両面テープ45×45mmシリコンハウス価格¥108_

もう一つ紙コップを用意した理由は
紙コップの口径が70mmあるので、このままでは50mm角のアルミ板が置けないため。
紙コップの底の口径は50mmなので、底を切ってアルミ板を置きます。
ペルチェ紙コップジョキ
高さを低くするため少し切って短くします。
ペルチェ改善セット
切った紙コップを逆さにしてこのように設置。

改善の効果は出るのか?
いざ実験。

(氷水を置いた直後が安定せず、氷水がこぼれそうになり、何とか安定させようと手を出してます。)
結果としては結構回りました。
途中、モーターの回転が弱くなってるように見えますが、撮影の関係上でその様に見えるだけで、実際は始めに勢い良く回り、それから徐々に落ち着いていってます。
この動画撮影終了後も回り続け、計3分以上回りました。
止まった結果はやはりペルチェ素子が全体的に温かくなり温度差が無くなったため。
原因は…
ペルチェラスト
氷水の重みに耐え切れず
紙コップが沈み込んでしまったため。
ペルチェ素子がお湯に浸っていきました。
実験はここまで。
ペルチェ素子の可逆特性を実証できました。
実験する前は「ソーラーモーターでも回らないのでは?」と懸念していましたが、見事に回ってくれました。
これより更に改善できる点もあると思いますので、最後に挙げておきます。
もし、同じような実験をされる方がいらっしゃいましたらご活用ください。

更なる改善案。
・氷水の入れ物を熱伝導の良い金属製に替える。
・お湯の入れ物をもっと丈夫な物にする(プラスチックのフタが付いた紙コップ飲料を利用しても良いかも)。
・お湯の温度を下げてペルチェが熱くなり過ぎないようにする。
その他、豆電球を光らせてみるもの面白そうです。
ちなみに、もう一度ソーラーモーターを回してみて電流を測定したところ最大で70mAほどでした。
(担当:小川)

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この記事へのコメント

1. Posted by Tompiper   2014年08月25日 08:54
5 面白い実験ありがとうございます。
共立電子さんは中・高校生のころよくお世話になっておりました。(S50年ごろですが)
類似の実験を行うので、ペルチェ(ゼーベック)素子を探してこの記事を見つけました。
非常に参考になりました。

ありがとうございました。
2. Posted by 共立@小川   2014年08月25日 23:59

電子工作の大先輩からありがたいご感想をいただき痛み入ります。

綺麗に大成功という結果にはなりませんでしたが、実際に体験してみないと分からないこともあったので、個人的にも勉強になりました。
また、来年の夏休みシーズンになるかも知れませんが、これからも気になる実験があればblogで報告させていただきます。